キキョウは、中国名の「桔梗」の字が、「キチコウ」と読まれ、それが転じ、「キキョウ」となったようです。また、キキョウの根がしっかりと充実しており、「硬直(こうちょく)」であることにもよります。
 平安時代の和名抄(931~938年)や本草和名(918年)には、「阿利乃比布岐(ありのひふき)」と記述されていて、これは「蟻の火吹き」の意味と理解されています。
 その解釈として、キキョウの雌しべの柱頭が「5つに裂開する様子」を”火吹”と見立て、
小さいと云う意味で「蟻の」と修飾して”蟻の火吹”と表現したと考えられます。
 キキョウの根を水洗し細根を去って、そのままあるいはコルク層を除去して乾燥したものを、古くから「桔梗根(ききょうこん)」と呼び、生薬として使用しています。
桔梗の根にはトリテルペノイドサポニンや微量のステロールなどの有効成分が含まれており、鎮咳去痰作用・整腸作用・解毒作用があるといわれています。