アジサイには「七変化」という異名があります。文字通り、開花してから色が変化するところからついたのです。日本の在来種は、蕾のころから咲き終わるまでに、淡緑色から白、藍、淡紅色と変わるのでこの名で呼ばれますが、実際は藍色の期間がもっとも長く、しかも美しい!
 日本アジサイ(ガクアジサイ)とされる『紅』も白色から、美しい深紅へと変化しますが、花の中の色素が少しずつ分解されて起こる現象で、老化現象の一種だそうです。
 アジサイの花色は、アントシアニン系色素がはたらいて、青色やピンク色が発色します。アルミニウムイオンは酸性土壌では、よく溶け、アルカリ土壌では溶けません。それで、土を酸性にすれば青花になり、中性~弱アルカリ性の土壌ではピンク花になるのです。青色は、土中のアルミニウムイオンが吸収され、色素と結合して発色します。逆に、アルミニウムイオンが吸収されないと、アントシアニン系のピンク色が発色します。
 ホンアジサイは、日本原産のガクアジサイの品種ですが、自生しているという説もあります。ヤマアジサイは、山中で沢によく見られることから、サワアジサイとも呼ばれます。独立した種として認めず、ガクアジサイの亜種とする説もあります。