ニッコウキスゲの花は、恥じらうように横向きに咲き、ノカンゾウやヤブカンゾウは、誇り高く上向きに咲きます。
 ノカンゾウがベニカンゾウ(紅萱草)とも呼ばれるように、紅・橙色が強く、花期も低地のニッコウキスゲより一ヶ月ほど遅く咲きます。
 ノカンゾウがニッコウキスゲのように一重咲きであるのに対し、ヤブカンゾウは八重咲きで、雄しべ雌しべがなく種子ができません。球根で増えます。山肌の日当たりの良いところが生育環境です。
 諏訪大社発祥の地、前宮の水眼の畔のノカンゾウは、「諏訪の平」に漸く訪れた陽春の陽射しと水眼の流の潤いに、十分満たされていました。
 ノカンゾウは、アクもえぐ味もないので、山菜としては、安心して食べられます。春の若芽や葉は和え物やお浸しなどに、花は一輪ごとに天ぷらにすれば豪華で豊かな歯応えとなり、花びらは一枚ずつスープの浮実にすれば、白いクリームスープの美しさが際立ちます!!