これまで存在していなかった花色の品種を育成する目的の基礎研究としてアントシアニン(anthocyanin)が研究されています。これらの研究の応用で、青いバラや青いカーネーションが作出されています。これらは、遺伝子組換えによって、発現されたのです。

 新葉の芽出しには、車山に繁茂するミヤコザサのように、春5月に、清純な若草色の単子葉を広げ葉緑体を活発化させます。
 6月、車山の眺望が美しい西白樺湖一面に展開する黄一色に染まる5弁のアザサの花の大群落と、9月下旬、白樺湖周辺を見事に彩る黄金アカシヤの色素は、カロテノイドの色素に染まったからとみられます。
 車山高原の紅葉の季節になると、赤・黄・緑を中心に、いろいろな色調が混在して、それぞれの地域の特徴を演出します。紅葉現象は主に落葉樹に見られ、一般に3種の色素、葉緑素(クロロフィイル)・カロテノイド色素・アントシアン色素の量比によって色調が変わるのです。
 紅葉が始まる時季、カエデが黒ずむのも、葉緑素が残ったままアントシアン色素で染まっていくからです。やがて葉緑素が消滅し、アントシアン色素だけになると、車山高原の山桜が明るい紅色一色となって輝くのです。

 カーネーションのゲノムは、2,013年に、約4万3千個ある遺伝子の並び方がすべて解読されました。青紫色のカーネーションは、そのゲノムの情報を利用して作り出された新しい色です。カーネーションンの遺伝子は、約4万3千個、ヒトの遺伝子は、約3万個といわれています。ヒトの遺伝子の数はカーネーションより少ないのですが、実は、ゲノム全体の情報量はカーネーションの5倍もあります。