峡谷の両岸を結ぶ橋は、県歌「信濃の国」にも歌われる「心してゆけ久米路橋」です。この橋には、「人柱」となった人の悲しい秘話があります。
 「久米路峡」は、長野県長野市信州新町水内、長野市西部の景勝地です。佐久間象山お手植えの楓など、切り立った岩肌に映える色鮮やかな紅葉が、犀川「ろうかく湖」の緑色の湖面に美しく映えています。晴れた日には、遠くに北アルプスも望めます。
 例年の見頃は、10月下旬〜11月中旬。紅葉の種類は、カエデ・サクラ・ヌルデ・ツツジです。ハシバミの黄葉も味わいが深いです。
 秋の紅葉で知られる久米路峡ですが、初夏もまた、新緑が犀川の緑色の流れに映え、清々しい景観を楽しませてくれます。
 久米路橋のある周辺は、今か420万年前に活動した火山の噴出物・安山岩角礫からなる「凝灰角礫岩」からできています。この岩は、周囲の地層より硬いため、隆起した岩盤が犀川の侵食に耐え、現在のような渓谷を形成したといわれています。 
 犀川はかつて、暴れ川として知られ、長雨が続けば、橋をのみ込み、流域の田畑や家を流します。特に、久米路橋のあたりは川幅が狭く、流れも勢いを増します。そこで、水神の怒りを抑えるために、「人柱」を立てることになったそうです。