シモツケは、山地の陽当たりのよい、木が生えづらい岩場などの草地に自生し、古くから庭園などに植えられる落葉低木です。高さ1m位になるものがありますが、車山高原では、普通、50cmほどです。

バラ科の中では、比較的原始的な性質があり、厳しい環境に耐え抜いてきたせいか、高い山や寒い地方では、個体数も種類も比較的多いようですが、暖地では他の樹木との競合に弱いようで、生育する場所が限られ、産地も互いに隔絶しています。

枝先に複数の複散房花序をつけます。直径46mmのバラ科らしい小さな5弁の花を半球形状に密生させます。

花の色は、薄い紅色や濃い紅色のものがあります。北海道から東北地方の山地に稀に生育するエゾノシロバナシモツケは、複散房花序に白い花を付けます。

シモツケは、微かな芳香と侘びのある花なので、茶花に用いられることが多いそうです。

シモツケの和名も、下野(栃木県)産のものが古くから栽培されてきたためです。