車山高原のリョウブに、白い実が付きました。
リョウブの若葉は、かつては笹の実とどうよう救荒食品として
飢饉の折には、お米と一緒に炊いて食べたといわれます。
しかし、江戸時代以前は、お米を食べられる庶民は、
江戸の商家に奉公するか、長屋に住まう人々で、
地方の民百姓や下級武士は、殆ど稗・粟・麦などの雑穀を炊いて常食していたはずです。
農民は年貢を納めるために、稲を耕作するばかりで、
よほどの好事でなければ、米は口にできませんでした。
現代では、雑穀米とリョウブの若葉や若い実を、季節ごとに合わせて一緒に焚き込んで食べたら、
めったに食べられない風味と香りがあり、最高のご馳走になります。
ただ、炊き込む前に、塩を適量加えれば、これこそ「郷土料理」の味わいとなるでしょう。