アサギマダラは、春から初夏にかけて沖縄や九州の島々から北上し、
夏を本州の車山高原などで過ごしたのち、秋には新しい世代が南を目指します。
羽を広げると10cm前後になります。
黒と褐色の模様と、ステンドグラスを思わせる透けるような薄い浅葱(あさぎ)色の斑紋様の羽が美しい!
浅葱色とは薄い葱(ねぎ)の色という意味、平安時代から用いられた色名です。
実際には薄青、薄藍、薄緑、水色などをさし、日本では、薄青を浅緑と言うこともあり、はっきりしません。
春から夏にかけては車山高原の標高1000mから2000mほどの涼しい草原で繁殖し、
秋、気温が下がると、遠く九州や沖縄、さらに八重山諸島や台湾にまで海を越えて飛んでいきます。
海を渡って1000km以上の大移動、台北市北部の郊外の火山地帯、陽明山まで飛んだ個体は、2100km以上の飛翔となります。

冬の間は、暖かい南の島の洞穴で過ごします。新たに繁殖した世代の蝶が春から初夏にかけて南から北上します。
季節により長距離の渡りをする日本で唯一の蝶です。