車山の東南は、急峻な段丘です。
苔むしった岩壁があります。
薄紫の藤の花が広がり、荒々しく咲き乱れています。
その重たい藤の花序を、下から支える黄色い山吹が、いくつか群落を作っています。

車山高原の東端、大門峠を源流にする音無川の流れに添うように
大門街道を行き過ぎた古代の旅人とかわらず、思わず目を奪われ、いくども立ち尽くすでしょう。

藤は、歴史的仮名遣いで「ふぢ」と書かれいました。
この季節、東風が吹く度に花が散るので、「吹き散る」を和名の由来にしているのでしょう。