現在、車山高原で目立つ美しい花木は、スイカズラ科タニウツギ属のニシキウツギ（二色空木）です。車山の樹叢の縁辺の日溜まりに多い落葉低木ですが、2～3mの高さにはなります。花の色は、初めは白色、のちに赤色に変わるので、ニシキウツギの名が付きました。それで「錦空木」ではなく「二色空木」なのです。
　しかし、レア・メモリーの庭に自生するニシキウツギでは、初めから白色や赤色で、変化する方のが少ないのです。日本の特産種で、宮城県以西の本州の太平洋側に自生し、四国や九州の1,300～2,000mの比較的高地にも生え、ヤブウツギやハコネウツギなどの交雑も普通で、個々の個体を無理に同定することに意味がなくなっているように思えます。
　人間と一緒で、個々の草木それぞれが、極めて個性的であり、無理に分類することなく、素直に一期一会を胸に刻み、愛でて楽しみたいものです。