諏訪湖は 秋晴れの陽射しに 包まれていました
東に 大きな富士山のほぼ全容が 

湖面には 水脈を曳く 舟影も見えません
岸辺を覆う 黒ずんだヒシを避けて 
泳ぐ鴨の群れが いくつも ゆったりと

頭上に 気配を感じれば
目の当たりに 羽ばたくことなく 悠々と飛翔する鳥
腹は茶褐色で 白い羽が規則的に散る

しばらくすると 「ピーヒョロロロロ…」という口笛が
鳶だったのです

眩し気に 青空を仰げば 
大空に 翼を大きく広げ 大きく旋回していました