むらさきに 梅雨の雨間を あざやけし
あら草むらの ほたるぶくろの花 (斎藤茂吉)

  しとしとと 空の濁りは したたりて 
蛍ぶくろの 花序につらなる (大西民子) 

 蛍袋という名前の由来は、子どもが、この袋状の花の中に捕まえた蛍を入れて遊んだことから、という説があるそうですが、先日、前庭で草刈りしていた時、雨上がりのドウダンツツジの仄暗い株元に、ぽつりと咲いていた蛍袋の薄紅色の花が!
 この時季、その辺りには、つゆ草も緑濃く茂っているのに
 なぜか、広々とした高原!
 まるで、その花だけに光が射しているような光景!
 その目映い美しさが、幻想的な緑の野原に広がりとなって浮かび上がる!
 しかも、花の中に蛍でも入っているかのように…