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1)大陸の移動 大陸は動いている。地球が熱を放出することによって地球の表面は変化してきた。何億年という時の経過を丹念たどっていくと、地球の営みや大陸の移動が見えてくる。 大地の移動の歴史は、大陸にある岩石の形成年代や種類、分布を詳しく調べることによって、再現される。時々の動きを未来へ延長して辿れば、大陸の移動が予想できまで科学は進歩した。既に、大陸の未来の配置がわかている。 日本は地理的に非常にユニークな位置にあり、いくつかの主要な地殻プレートの交差点に位置している。このため、地震や火山活動が頻繁に発生する。具体的には、太平洋プレートが西に向かって移動し、フィリピン海プレートの下に沈み込む(沈み込み帯)ため、日本海溝で地震を引き起こす。 フィリピン海プレートは北西に向かって移動し、ユーラシアプレートの下に沈み込んでいる。この沈み込みが南海トラフでの地震を引き起こす。 ユーラシアプレートは、日本列島の大部分を含むプレートであり、北米プレートは日本の北部(北海道と東北)を含む。 このようなプレートの動きによって、日本は地震と火山活動が非常に活発な地域となっている。 これがまた、日本列島の美しい地形を形成し、温泉などの自然の恵みも生み出している。地震に関しては、防災対策や建築基準の強化が進んでいるが、自然の脅威との共存は極めて困難になっている。 日本の国土面積は約377,975平方kmで、世界で約6番目に大きいが、地震の発生頻度は非常に高い。日本は地震帯の一部であり、年間約1,500回の地震が観測されている。これは世界の中でも非常に多い。 他の国々と比較すると、日本は地震の発生頻度が非常に高い。例えば、アメリカ合衆国やメキシコなども地震が多い地域であるが、日本の地震頻度はこれらの国々よりも高い。 2023 年に国内で被害を伴った地震は 4回(2022 年は7回)発生した。 このうち、死者・行方不明者を伴った地 震は、5月5日 14 時 42 分に能登半島沖で発生した地震(M6.5)の1回で あった(2022 年は1回)。 震度1以上を観測した地震は 2,227 回(2022 年は 1,964 回)、最大震度 4以上を観測した地震は 41 回(2022 年 は 51 回)、最大震度5弱以上を観測し た地震は8回(2022 年は 15 回)であり、 2023 年中に観測した最大の震度は、5 月5日 14 時 42 分に能登半島沖で発生 した地震(M6.5)で観測された震度6強 であった。 M6.0 以上の地震は 19 回(2022 年は 19 回)発生した。過去 105 年間の地震回数 の中央値が 16 回であることから、ほぼ 平均的な発生回数であった。 2023 年中で最大規模の地震は、12 月 28 日に発生した択捉島南東沖の地震 (M6.6)であった。 日本で津波を観測した地震(海外で発 生した地震を含む)は、5月5日 14 時 42 分に能登半島沖で発生した地震 (M6.5)、10 月5日に鳥島近海で発生し た地震(M6.5)、10 月6日に鳥島近海で 発生した地震(M6.0)、10 月9日 04 時 頃から 06 時台にかけて鳥島近海で発生 した地震活動及び 12 月2日にフィリピ ン諸島、ミンダナオで発生した地震 (Mw7.5)の5回であった(2022 年は1 回)。 また、大津波警報、津波警 報、津波注意報の発表をした地震は、10 月5日に鳥島近海で発生した地震 (M6.5、津波注意報)、10 月9日 04 時 頃から 06 時台にかけて鳥島近海で発生 した地震活動(津波注意報)及び 12月2日にフィリピン諸島、ミンダナオで 発生した地震(Mw7.5、津波注意報)の 3回であった。 目次へ 熱の放出 Heat Release 2)地球の内部構造とエネルギー 地球はおよそ46億年前に微惑星(小さな岩石や金属の塊)同士が衝突を重ねて形成された。地球の内部は熱くなっている。地球の営みは、その熱の放出によって駆動される。 初期の地球は微惑星の衝突と結合によって非常な高温になっていた。そのため非常に高いエネルギーを持つ。それは主にその速度と質量による。宇宙空間では、天体が移動する速度は非常に速く、これにより運動エネルギーが非常に高まる。例えば、衝突する微惑星は時速数万kmに達することもある。これ程の高い速度同士で衝突すると、その運動エネルギーが巨大な熱と衝撃波を生み出し、衝突する物体の両方が非常に高温になる。 また、その後も続く微惑星による衝突のたびに、運動エネルギーが熱エネルギーに変わり、地球の初期の高温状態を一層高めた。このエネルギーが地球を溶かし、最終的には地球の内部構造を形成する要因となった。 この灼熱の状態は、地球内部の物質を溶かし、岩石も液状にする。この「マグマの海」と呼ばれる状態が数百万年間続いた。この過程により、重い元素は地球の中心に沈み、軽い元素は表面に浮かぶという分離が進む。これが地球の内核・外核・マントル、そして地殻の形成に繋がった。 地球の重い元素とは、質量が比較的大きい元素を指す。鉄F・ニッケルN・鉛Pb・金Au・ウランUなどが含まれる。これらの元素が地球の中心部や地殻、マントルに分布している。 地球内部の最も重い内核と外核では、内核は主に固体の鉄とニッケルで構成され、外核は液体の鉄とニッケルで構成されている。この内核と外核の組み合わせが地球の磁場を生成する役割を果たしている。 マントルは主にケイ酸塩鉱物(シリコン・酸素・鉄・マグネシウムなど)から構成されている。これらの鉱物は高温・高圧下で部分的に溶融した状態で存在している。地殻は比較的軽い元素(酸素・シリコン・アルミニウムなど)が豊富であるが、鉱物の中には重い元素も含まれている。例えば、鉄鉱石や金鉱石などが地殻に存在する。 これらの重い元素は、地球の形成時に高温の状態で分離し、中心部に沈んでいったものが多い。この分離過程により、地球の内部構造が現在のように層状に分かれることとなった。 それが冷え切らずに現在でも地球の内部が高温である理由は、放射性物質から発生する放射線のエネルギーが熱に変わっているためである。これが、地球のマントルを対流させ造山運動を起こす熱源になっている。この熱量は、31もしくは44TWhといわれている。2010年の日本の最終消費電力量は1,123.75TWhだったが、2020年のそれは986.95TWhで、136.8TWh(約12%)も減った。電力量の需要が減っている(1TWh【テラワットアワー】1兆ワットアワーに相当)。
その放射性物質の主なものは、ウランやトリウム、およびカリウム40で、これらは半減期が長いため、地球が誕生してから46億年経った現在でも地中に残っている。ウラン-238 (U-238):の半減期は、約44億6800万年、トリウム-232 (Th-232)の半減期は、約140億5000万年、カリウム-40 (K-40)の半減期は約12億5100万年、これらの放射性同位元素は、地殻内でも自然に存在し、その崩壊過程を通じて地球内部の熱や放射能の源となっている。 カリウム40は天然カリウム中に0.0117 %の割合で存在する。自然界に存在するカリウム40はその殆どが恒星内の元素合成で生成されたものだが、ごく一部は上空大気中でアルゴン40が宇宙線と作用することにより生成される。 約46億年前の地球創世時には現在の約12倍のカリウム40が存在していたとされる。カリウムは地殻の岩石中では主に長石の形で含まれ、特に花崗岩中に高濃度で存在する。岩石の放射発熱量はカリウム40・トリウム・ウランいずれもの含有率が高い花崗岩が高い値を示し、地熱の主因となっている。特にカリウム40およびウラン235は半減期の関係で地質時代の過去において発熱量の主因となっていた。 カリウム40の半減期は約12億5100万年で、確かに他の放射性同位元素と比べると短い。それでも、地球が誕生してからの長い歴史を考えると、カリウム40はまだ地球の地殻やマントルに存在している。 カリウム40は崩壊してアルゴン40やカルシウム40に変わるが、その過程が非常に長期間にわたるため、依然として地球内部に一定量が存在し続けている。この放射性同位元素の存在は、地球の内部熱の一部を供給し続けている。 カリウム40は主に地殻とマントルに存在し、地球のコア(核)では鉄やニッケルが主成分であり、カリウム40の影響は比較的少ないとされている。 地球内部は熱く、宇宙空間の温度は絶対0度(-273℃)で、数1,000度の熱い地球が冷たい宇宙空間にあるため、熱は地球内部から外に向かって流れていく。この熱の流れによって、地球の営みが維持される。大地をおし上げたり、火山を噴火させたり大地の営みは地球内部の熱によるものである。 世界にはたくさん活火山がある。現在活動している火山を活火山と呼ばれ、現在は活動していなくても、過去に活動した記録があるものを「休火山」と呼んでいたが、今では活火山に含めている。現在では、活火山とは過去2,000年以内に活動した火山のことを言う。その数は約750個に、そのうち日本には140個ほどがある。活火山は、地球のいたるところにあるのではなく、かたよりがある。日本列島の小笠原列島は、「火山列島」の名の通り、伊豆・小笠原海溝の深海底からそそり立つ海底火山の島でもある。太平洋プレートがフィリピン海プレートの下に沈み込む過程で、地殻の一部が溶け、マグマが生成されている。南米のチリの海溝に平行した大陸の縁では、アンデス山脈に属するリカンカブール山やオホス・デル・サラードなどの火山は、ナスカプレートが南米プレートの下に沈み込む「沈み込み帯」に形成された火山である。ポルトガル沖約1,000kmの大西洋上に浮かぶアゾレス諸島は、大西洋中央海嶺の一部で、ユーラシアプレートとアフリカプレートが分かれる地点にあり、ポルトガルの最高峰の火山のピコ山がワインを産する島として有名である。アイスランドは、北大西洋中央海嶺上に位置し、ユーラシアプレートと北アメリカプレートが離れる地点にある活火山などが分布している。いずれもプレートの境界か、プレートが分かれる場所にあり、またその影響を受けた付近にあたる島弧や大陸縁の火山でもある。 大陸の割れめは、大陸プレートが新しく2つに分かれている。アフリカ大地溝帯East African Riftは、アフリカ大陸が二つの新しい大陸に分かれつつある場所の一つで、そこをを中心に、プレートが離れる動きが進行中で、最終的にはソマリアプレートとヌビアプレートという二つの大陸プレートが形成されると考えられている。アフリカ大陸を南北に縦断する巨大な地溝帯であり、特に東アフリカからエチオピア高原、ケニアやタンザニア、そしてモザンビークへと続く広大な地域を指す。このプロセスは数千万年単位の非常に長い期間で進行するため、今すぐに地図が変わるというわけではないが、将来的に大きな地形変化が予想される。プレートテクトニクスの影響を受けて地殻が引き裂かれている。結果として、このエリアでは地溝湖や火山活動が見られ、独特の地形が形成されている。 この地域は、地質学的な活動だけでなく、人類の進化の歴史に関しても多くの重要な発見がなされている。 タンザニアのオルドヴァイは、タンザニア北部のンゴロンゴロ保護区にある谷幅数百m、全長40kmにも及ぶ巨大な渓谷である。ここで1974年に発見された「ルーシーLucy」という名前の化石は、新生代古第三紀漸新世の約3,200万年前のものとされている。これは、直立二足歩行の進化に関する重要な証拠となっている。ただ、彼女の時代には、初期の石器が使われていたと考えられてるが、ルーシーと一緒に道具類そのものは共伴していない。 ケニアのトゥルカナ湖では、多くの古代の哺乳類の化石が発見されている。これには、初期のサイやゾウ、カバなどが含まれている。 タンザニアのマニャラ湖周辺では、多くの古代の鳥類や爬虫類の化石が発見されている。これらの発見は、動物の進化と生態系の変遷を理解する上で重要であるが、アフリカ大地溝帯は、地質学的にも非常に興味深い場所であっても、人類を含めて生物史を決定づけられる軌跡にまでは辿り着けていない。 ホモ・サピエンス(現生人類)に至った系統進化において、類人猿・人類段階の主要イベントは常にアフリカで起こったと主流仮説では考えられている。その一方、新生代新第三紀中新世の1600万年前から、様々な類人猿・人類がアフリカからの拡散を繰り返したことが、古生物地理から示唆されているが、この拡散過程を明らかにするには、アフリカとユーラシアをつなぐ回廊地帯の化石資料が鍵となる。回廊地帯の中でも有望な化石産地のひとつであるアナトリア半島(トルコ共和国)における人類化石の発掘調査を進めている。そのアナトリア半島ではユーラシアにおける最古級の類人猿の化石が多数発見されており、その時代以降、現在に至るまで人類・類人猿の系統がほとんど途切れることなく存続していたと考えられている。この場合でも、アフリカとユーラシアをつなぐ回廊地帯の化石資料が鍵となる。 大西洋中央海嶺は海洋プレートが2つに分かれている。地球内部の熱の放出は物質の対流で行われる(プレートテクトニクス Plate Tectonics)。この対流の出口が海嶺と呼ばれる。そのほかにハワイやカメルーンの海岸など、プレートの中に不規則に分布するものもある。このような火山は、ホット・スポット(地殻内部の高温部分)と呼ばれ、マントル内の熱の対流による運動でできる。 カメルーンホットスポットは、アフリカプレートの中央部に位置する火山活動が活発な地域で、南アメリカプレートがアフリカのプレートに沈み込むというのは、プレートテクトニクスにおける沈み込み帯の話であるが、カメルーンホットスポットの形成とは直接関係がない。カメルーンホットスポットは、「カメルーン火山列」とも呼ばれ、一般にホットスポットの活動によって形成されたと考えられている。「カメルーン火山列」は、ナイジェリア東部からカメルーン西部にかけて広がる、壮大な火山の連なりで、ギニア湾沿岸のカメルーン山から北方のチャド湖周辺まで伸びる。このカメルーン火山列は、玄武岩質の火山から構成され、中央アフリカ共和国との国境のムベレ地溝帯もその一部を形成している。カメルーン山脈、あるいはカメルーン高地としても知られるこの山岳地帯は、単なる火山列ではなく、アフリカ大陸のダイナミックな地殻変動の歴史を物語る重要な地質学的構造帯でもある。カメルーン山をつくる岩石は玄武岩質で、地質学的に白亜紀から第四紀の堆積物が被さる先カンブリア時代(約46億年前、地球は誕生し、そこから肉眼で見える大きさで硬い殻を持った生物の化石が初めて産出する5億4,100万年前までにあたる地質時代、実に約40億年の期間)の基盤岩の上に形成されており、西アフリカにおいてもっとも頻繁に噴火する。 その形成過程は、中生代白亜紀の約8,000万年前に遡る。その頃、アフリカプレートが反時計回りに移動したことで、地殻に大きな剪断が生じた。この作用がマグマ活動を引き起こし、結果としてカメルーン火山列が誕生したと考えられている。 さらに興味深いのは、この火山列が大陸地殻から海洋地殻へと連続的に伸び、ビオコ島やサントメ・プリンシペ諸島といった火山島も、この火山列の一部として捉えられており、大陸と海洋を繋ぐ地質学的構造を示している。この火山列の形成において、西アフリカ・クラトンとコンゴ・クラトンの境界付近に位置するナイジェリアの地理的条件や、白亜紀に形成されたベヌー・トラフの存在も重要な要素として挙げられている。ベヌー・トラフの東側に位置するカメルーン火山列は、大西洋拡大に伴い形成された剪断帯に沿って伸びており、その延長線は大西洋を隔てた南アメリカプレート上のブラジルまで続くと考えられている。 2012年2月3日にはカメルーン山(西アフリカ最高峰4,095m)で噴火が発生し、周辺地域に大きな影響を与えた。カメルーン火山列は大西洋のギニア湾側へと続き、ビオコ島・プリンシペ島・サントメ島・アンノボン島といった火山島が連なっている。これらの島々はまとめてギニア湾諸島と呼ばれることもあり、カメルーン火山列の広大さと影響力の大きさを示している。
新生代更新世チバニアン期の約60万年前から30万年前に形成され始め、約10万年前に海面上に現れた。ハワイ島の東南端にキラウェア火山は典型的な盾状火山で、水平方向に長く、海面上に出ている部分だけでも長さは80km以上もある。山頂部には直径4kmのカルデラがあって、その中に山頂での活動の中心地である直径1kmの火口ハレマウマウがある。ハレマウマウでは今も大量の硫化水素を噴出している。山頂火口から南西方向へ「南西リフトゾーン」、東へ「東リフトゾーン」が延びている。リフトゾーンは火口や陥没によるピットクレーターpit craterなどが走る帯状の地域で、しばしば噴火する。1983年1月に噴火を始めたプウオオ噴火口は東リフトゾーンにある。現在まで20年以上にわたって灼熱の溶岩を南側山ろくに流し続けている。 (カルデラの最も近いところにあるピットクレーターは、リフトゾーンの地下にできた空洞で、地面が陥没したところがピットクレーターと呼ばれる。しばしば付近で噴火した溶岩が流れ込んで、底を埋めることがある。キラウェア火山でも1959年にクレーターの縁で起こった噴火によって、クレーターの底に溶岩湖が形成された。) ハワイのホットスポットの形成は、地球内部の熱対流、およびマントルプルームの活動と密接に関連している。この場合の地球の内部とは、主に固体のマントルと流動性のある外核との相互作用による。これらの層は高温であり、その温度差により対流が発生する。熱い物質は上昇し、冷えた物質は沈降することで対流が起こる。この対流は、地球内部の熱エネルギーを地表に運ぶ重要なメカニズムとして働く。 対流の一部として、特に熱い領域ではマントルプルームが形成される。これらは、地球の深部から地表に向かって上昇する「高温の柱状の流れ」を言う。マントルプルームは非常に深い場所、例えば、コアとマントル境界付近から始まり、上昇するにつれて周囲のマントルと混ざり合いながら地殻に向かって上がって行く。ハワイのホットスポットは、マントルプルームが地殻に近づき、そこでマグマを生成して火山活動を引き起こす。そのため太平洋プレートが北西方向に移動するごとに、このホットスポットが上を通過することで、ハワイ諸島の各島の火口が順次形成される。 地球内部の熱対流は、マントル内の熱の移動と分配に寄与し、マントルプルームの生成とその持続を支える。マントルプルームが地表に達すると、ホットスポットとして現れ、火山活動を引き起こす。これがハワイのホットスポットの実態である。ハワイのホットスポットは地球内部の熱対流とマントルプルームの活動が複合的に関与することで形成されており、現在でもなお活発である。 大西洋中央海嶺では新しい地殻がつくられている。地殻とマントルの一部は、かたい板として地球の表面を移動する。このようなかたい板はリソスフェアと呼ばれる。地表は10数枚のプレートとよばれるリソスフェアに分けられている。このプレートの水平運動による、さまざまな大地の営みを検証することをプレートテクトニクスと呼ぶ。 大陸が割れはじめ、割れめに沿って凹みができる。割れめはリフトとよばれ、火山が発生する。アフリカの大地溝帯Great Rift Valleyがこの段階に相当する。フォッサマグナは、日本の本州中央部を東西に分ける地質学的な地帯で、リフトの一種と考えられている。フォッサマグナは約2,000万年前に日本列島がユーラシアプレートから分離し、フィリピン海プレートや太平洋プレートとの相互作用によって形成された。 この地域は、地殻が引き伸ばされて割れるリフト現象によって形成されたもので、地質学的には日本列島の東西を分ける重要な境界と言える。フォッサマグナは、東側の「北アメリカプレート」および西側の「ユーラシアプレート」の間に位置している。これにより、中央構造線(フォッサマグナの南側境界)などの大きな断層帯が存在し、地震活動が活発な地域でもある。 フォッサマグナの特徴は深い谷や盆地が多く、典型的なリフト地形を形成している。フォッサマグナ地域には、焼山・八ケ岳・浅間山・富士山・箱根山など多くの火山があり、現在でも活動している火山も多い。 地震活動: プレート境界に位置するため、地震が頻発している。 目次へ 3)海洋プレートと大陸プレートのメカニズム マントルの上昇と冷却により、海洋プレートは生成される。このプロセスは海底の中央海嶺で起こる。海嶺と呼ばれる海底山脈で、新しい海洋プレートがマントルからのマグマの上昇と冷却によって形成される。この新しいプレートは高温で軽いため、浮力が高く、ゆっくりと広がる。この海洋プレートは、海嶺から離れて地球の他のプレートと衝突するまで拡大し移動する。移動に伴い、冷却されて重くなり、徐々に沈み込む準備が整う。 プレートが大陸プレートや他の海洋プレートと衝突すると、密度の高い海洋プレートはより軽いプレートの下に沈み込む。この部分がスラブと呼ばれる沈み込み帯である。 新しく形成された海洋プレートは、海嶺で高温のマグマから生まれため、非常に軽いが、時間が経つにつれて冷却される。冷却が進むと、岩石が収縮し、密度が高くなる。また岩石の温度が低いほど、分子の運動が減少し、物質がより密に詰まる。この冷却プロセスの間、海洋プレートの一部は脱水し、さらに密度が増す。特に沈み込み帯に向かって進むにつれ、この効果が顕著になる。冷却されて密度が高くなったプレートは、重力の影響でより沈み込みやすくなる。これが、プレートが沈み込み帯で他のプレートの下に滑り込む主なメカニズムとなる。海洋プレートが沈み込むことによって海洋底は縮小する。 水を含むスラブがマントルに沈み込むと、その一部は溶けてマグマを生成する。このマグマが火山活動を引き起こし、島弧や弧状列島を形成する。その沈み込み帯では地震や火山活動が頻発する。これは、沈み込むスラブが応力を引き起こし、地殻を破壊するためである。特に、日本列島は北米プレートやフィリピン海プレートがユーラシアプレートと.、太平洋ピレートが北米プレートとフィリピン海プレートに衝突する場所にあり、これが日本の頻繁な地震や火山活動の主な要因となっている。沈みこみを開始する海洋底では、やがて大陸の下に沈みこみを始める。その大陸の縁には火山が生まれる。ところによっては、大陸から分離した縁海と島弧ができることもある。こうして、年に数mm単位で太平洋プレートの海洋底が縮小していく。これが太平洋の今の段階に相当する。 海洋プレートは主に海嶺と呼ばれる場所で形成され、主に玄武岩質(玄武岩とガブロ)で構成されているため、密度が高くなっている。ここでは、マントルからのマグマが上昇して冷却され、固化することで新しい地殻が作られる。 未だ水面下にある海嶺の冷却速度が速いことから、マグマは急速に冷えて玄武岩となる。玄武岩は細粒で、海底の広範囲に分布する。海洋プレートは主にこの海嶺と呼ばれる場所から拡大する。ここでは、マントルからのマグマが上昇して冷却され、固化することで新しい地殻が作られる。海嶺での冷却速度が速いことから、マグマは急速に冷えて玄武岩となる。玄武岩は細粒で、海底の広範囲に分布する。マグマがゆっくりと冷却される場合、より深い場所で結晶化が進むと、ガブロが形成される。ガブロは玄武岩と同じ鉱物組成であるが、冷却速度が遅いため、結晶が大きく粗粒になる。 ガブロは主に海洋プレートの深部に存在し、海底下の岩石層の一部を構成する。玄武岩とガブロは、鉄とマグネシウムに富んでおり、これらの鉱物は高密度であるため、海洋プレート全体の密度を高める役割を果たす。この高密度が重さとなって、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む大きな要因となっている。要するに、海洋プレートはその形成場所である海嶺の条件と冷却速度によって、主に玄武岩とガブロから構成され、これが、海洋プレートの構造と機能に大きな影響を与える。 大陸プレートは主に花崗岩質で構成されており、密度が低い。これは、マグマが大陸上でゆっくり冷却されて地殻を形成するためである。 この密度の違いが、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込みやすくなるもう一方の主要な要因となる。玄武岩質の海洋プレートは、花崗岩質の大陸プレートよりも密度が高く冷えて重いため、重力に引かれて沈み込みやすくなる。 海洋プレートは通常、比較的薄くて剛性がある。一方、大陸プレートは厚くて柔軟性がある。このため、海洋プレートは沈み込み帯で簡単に折れ曲がり、大陸プレートの下に滑り込める。海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込むと、沈み込み帯が形成される。この沈み込み帯では、海洋プレートが水を伴いマントル内に引き込まれ、マントルを部分的に溶かしてマグマを生成する。 ヒマラヤの形成は中生代ジュラ紀の約2億年前、超大陸パンゲアの分裂を契機に始まった。パンゲアが分裂を始めた後、インドプレートが分裂し、現在アジアと呼ばれている陸塊に向かって北上した。インドプレートは、100年で10m以上という地質学的には驚異的な速さで移動した。当時は広大なテチス海がインドプレートとユーラシアプレートの隙間を埋めていたが、インドプレートが北上するにつれて、テチス海は狭まった。高密度の海洋地殻でできた海洋プレートが、ユーラシアプレートを構成する軽い岩盤の南端に沈み込む、いわゆる沈み込み帯が形成された。海洋プレートが大陸プレートの下のマントルに向かってゆっくり沈み込むことで、玄武岩などの海底堆積物の厚い層が削られ、ユーラシアプレートの端に積み重なっていった。この海底堆積層が圧縮されて岩石となり、最終的にヒマラヤ山脈の頂を覆った。 ヒマラヤ山脈の基部にも、強い圧縮作用によってできたと考えられる岩石が広くヒマラヤ地域に分布している。この玄武岩などの変成岩類は、ヒマラヤ片麻岩と呼ばれている。片麻岩は非常に硬く、風化に対しても耐性があり、そのため山岳地帯でよく見られる。特徴としては、片麻岩は、層状の構造を持つのが特徴で、美しい模様を形成する。鉱物の層が縞模様を形成し、その模様は変成作用の強さや方向によって異なる。 ヒマラヤ片麻岩の構造では、テチス堆積帯のような大きな摺曲構造はみられない。その変成作用の強さは下部ほど強く、上部(北側)ほど弱くなる。ヒマラヤ片麻岩の上には、ほとんど変成していないテチス堆積物が重なる。ヒマラヤ片麻岩などのように、化石をふくまない変成岩や花崗岩の年齢は、放射性元素を利用して知ることができる。1898年、キュリー夫妻はラジウムを発見し、その後、1902年、イギリスの科学者アーネスト・ラザフォードは、ラジウム元素が放射性崩壊によってラドン元素にかわることを見いだした(放射性元素変換説)。今日では、放射性崩壊で他の元素にかわる放射性元素が多数見つかっている。 堆積物が深く堆積し、その上に新たな堆積物がさらに積み重なることで、下層の堆積物はその高圧下で圧縮されてより硬くなり堆積岩になる。やがてプレート同士の衝突による地殻変動は、堆積岩層を隆起させ、山脈を形成する。エベレスト山は、このような造山運動の結果、隆起して世界最高峰の山となった。隆起した岩石層は、長い年月を経て風化や侵食によって再び露出する。エベレスト山頂もこのような過程を経て、現在の状態のように、エベレスト山頂のエベレスト層に含まれるシルト岩などが形成された。 陸地のプレートは主に花崗岩や変成岩からなり、これらは冷却が進むことで硬くなる。新しい地殻はプレート境界で生成され、地球内部からの熱によって、新しい地殻は膨張し、その後移動しながら冷却され収縮する。この収縮により、プレートの密度が高まり、厚みが増す。長い年月であれば、風化や侵食によって運ばれた堆積物がプレートの上に蓄積される。これもプレートの厚みを増加させる要因となる。プレートは冷却することで、岩石はより堅くなり、剛性は増す。これにより、プレート全体の強度が高まり、さらに厚みが加わる。 海洋プレートが比較的薄いわりに剛性がある理由は、主にその組成と形成過程にある。海洋プレートは主に玄武岩やガブロ(玄武岩と同じ鉱物組成であるが、冷却速度が遅いため、結晶が大きく粗粒となる)などの密度が高い岩石から成り立っている。これらの岩石は、冷えて固まると非常に堅く重くなる。また、海洋プレートの上部には堆積物が薄く覆っているため、全体として薄い層を形成する。その海洋プレートは海嶺と呼ばれる海底火山で新しいプレートが生成されることで拡大する。海嶺から噴出した溶岩は冷えて固まり、新しい海洋地殻が作られる。この過程で生成された地殻は、冷却が進むにつれて固くなり、剛性を増すようになる。 陸上火山による噴出物の冷却が進むことで収縮され厚さを増す陸地のプレートと比べて、海洋プレートは、海底の上部の地殻とその下にあるマントルの一部から構成されているため比較的薄いままの状態を保つ。その海洋地殻は、平均して約7〜10kmの厚さで、その地殻は、火山活動によって生成される玄武岩からなる上部層と、その下部にあるガブロ層の2つの主要な層から構成されている。この層状構造は、海洋地殻が主に中央海嶺と呼ばれる海底の裂け目から噴出するマグマによって形成さ、このマグマは地球内部から供給され、海底に流れ出して急冷し、細かい結晶からなる硬い玄武岩を形成する。そのため玄武岩は海洋地殻の最上部に広がる層を形成する。 ガブロ層の形成は、海底の内部でマグマゆっくりと冷却されるため海洋地殻の下部を構成する。玄武岩は急速な冷却により形成されため、細かい結晶構造を持つ。一方、ガブロはゆっくりと冷却されるため、粗い結晶構造になる。また、陸上プレート(リソスフェア)の下にあるアセノスフェアと呼ばれる部分は、柔らかくて変形しやすいため、海洋プレートはその上を比較的容易に流動して行く。 これらの要因が組み合わさることで、海洋プレートは薄くて剛性があるため、地球のプレートテクトニクスにおいて重要な役割を果たす。 ヒマラヤ山脈に火山がないのは、その形成過程に関係している。世界一高い山脈ヒマラヤと世界最大の高原、チベット高原が誕生した。新生代古第三紀始新世の5,000万年前以降、ヒマラヤは上昇を続ける一方、高くなり過ぎて自重による構造的崩壊を繰り返し、大量の風化物質を供給している。ヒマラヤ山脈は、インドプレートとユーラシアプレートが衝突することで形成された大規模な衝上断層による山脈であれば、地殻が水平方向に圧縮されることで形成される。この圧力によって、地殻の一部が他の部分の上に押し上げられるような動きが生じる。衝上断層の断層面は、低い角度(通常30度未満)で傾斜している。圧縮力が働くことで、上部の地層が下部の地層に対して前方へ押し出される形になる。このプロセスの積み重ねにより地殻の厚みが増し、ヒマラヤ山脈やひいてはチベット高地の形成に寄与した。ヒマラヤ山脈は、このような衝上断層による圧縮性変動帯の典型例であり、インドプレートがユーラシアプレートに対して押し上げられることで形成されている。これにより、ヒマラヤ山脈のような既に巨大な山脈であっても、常に変化している。 その一方、火山は一般的にプレートの境界周辺で発生し、特にプレートの沈み込み帯や、プレートが引き裂かれる拡張帯周辺で見られる。ヒマラヤ山脈一帯では、プレートの沈み込みや引き裂かれる現象が起きていない。そのため、火山が存在していない。 海洋の両側にあった大陸が衝突すると、大陸の間にあったテチス海の多くの海底堆積物は沈みこむことができず、盛り上がり山脈となった。この褶曲山脈の下では、強烈な圧縮により岩石に変成作用が起る。この繰り返しがヒマラヤ山脈を形成した。ヒマラヤ山脈は、このような衝上断層による圧縮性変動帯の典型例であり、インドプレートがユーラシアプレートに対して押し上げられることで形成されている。この穏やかな物理的な力でありながら、歳月は、ヒマラヤ山脈のような巨大な山脈を誕生させた。 この地域では、古生代から中生代にかけての海洋環境が保存され、しかも化石の豊富な地層が重層化され多くの事を語ってくれる。ヒマラヤ山脈の山々は、特に古代のテチス海の海洋地層を露出させることで、多くの化石が層状して発見される環境が整っている。具体的には、アンモナイト・イクチオサウルス(中生代三畳紀後期〜ジュラ紀前期に生息;イルカのような流線型の体を持った魚竜で、数百にも及ぶ完全な骨格が発見されている事から最も広く知られる魚竜)などの化石が見つかっている。 ヒマラヤ山脈で発見された大型動物化石についての情報は少ない。ヒマラヤ地域は古くから多くの古生物が生息していた場所とされているが、ヒマラヤ地域で発見された化石には、絶滅した哺乳類や恐竜のものも含まれるが、具体的な発見例や詳細な情報は限られている。 ヒマラヤ山脈では、大型動物の化石があまり見つからない。ヒマラヤ山脈は地質学的には比較的若い山脈で、新生代古第三紀始新世の約5,000万年前にインド亜大陸がユーラシア大陸に衝突して形成された。このため、他の古い地層に比べて化石が保存される時間が短い。また、ヒマラヤ山脈は現在も活発に成長しており、地殻の変動や地震が頻繁に発生している。これらの運動は化石の保存を困難にし、既存の化石を破壊することも稀ではない。 ヒマラヤ山脈には多くの氷河があり、氷河による浸食作用は激烈で、地層を削り取り、化石が露出する前に破壊する。ヒマラヤ山脈は高山地帯であり、しかもアクセスが非常に困難で、化石の発掘調査自体が限られており、多くの地域が未調査のままにある。 これらの要因が組み合わさり、ヒマラヤ山脈で大型動物の化石の出土例が極めて乏しい。 ヒマラヤ山脈 世界でもっとも高いヒマラヤ山脈の最高峰であるエベレストは、 8,848m、その山頂付近には、登山家がイエローバンドと呼んでいる地層がある。黒い岩にくっきりと黄色味をおびた帯状が目立つ。その正体は、変成した「石灰岩」であった。この石灰岩は、ヒトデやウニの仲間であるウミユリなどの棘皮(きょくひ)動物からできたもので、中には化石も含まれている。イエローバンドを含む地は、元々約3億年前に広がっていたテチス海の海底であった。そのとき海洋底でできた地層が、今は8,000m近い山の上にある。 頂上から8,600 mのチョモランマ層はエベレスト層とも呼ばれ、テチス海の浅瀬で繁栄していたサンゴ礁からなる石灰岩や、ドロマイト石灰【苦灰石、主成分は炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムの複塩】、そしてシルト岩siltstone【地表の岩石の風化・侵食によって生じた砕屑粒子を主成分する堆積岩】からなる。 エベレスト山は造山運動によって形成された褶曲山、具体的には、インドプレートとユーラシアプレートが衝突することによって押し上げられたことで、エベレスト山が形成された。エベレスト山は主に堆積岩や変成岩で形成されており、その中には古代の海洋生物の化石が含まれているドロマイトdolomiteなどの堆積岩が見られる。ドロマイトとは、カルシウムとマグネシウムが結合した炭酸塩鉱物で、石灰岩と似ているが、含まれるマグネシウムが多い点で異なる。ドロマイトは、主に堆積岩の一種として、古代のテチス海の海洋環境で生成された。 (苦灰石の化学式にはカルシウムマグネシウム炭酸塩CaMg(CO3)2として知られている。主要な成分はカルシウムとマグネシウムで、これに炭酸塩が結合している。 苦灰石は主に浅い海洋環境で生成される。一部の微生物、特に海藻やバクテリアは、炭酸カルシウムを沈殿させる能力を持っている。海水中に含まれるカルシウムとマグネシウムが、炭酸塩イオンと結合することで炭酸塩鉱物が形成され、この鉱物が海底に堆積し、長い時間をかけて厚い層を形成する。 これが集積し、ドロマイトの形成する。 この堆積物が地下に埋もれ、地圧や温度の影響を受けると、化学変成作用が進行する。この過程で、炭酸カルシウム(石灰石)がマグネシウムイオンと反応し、カルシウムマグネシウム炭酸塩(ドロマイト)に変化する。地下深くでの圧力と温度の影響により、ドロマイトの結晶は成長する。これにより、岩石としての硬さと安定性が増す。自然の力と長い時間の積み重ねによって苦灰石は形成され、地表の風化や侵食によって露出する。) エベレスト山頂のエベレスト層に含まれるシルト岩siltstoneの生成過程は、長い地質学的な時間を経て堆積物が変化し、岩石として固まる。「silts」とは、「沈積土」・「砂泥」、つまり「砂より小さく粘土より粗い砕屑物」であれば、風や水の流れによって運ばれた砂や泥、細かい鉱物粒子がテチス海の海底に堆積して形成された。この堆積物には、シルトsiltと呼ばれる微細な粒子が主成分である。その堆積物は、時間とともに層を成して積み重なる。エベレスト地域のでは、この堆積過程が古代のテチス海の海底で進行した。堆積物が深く堆積し、その上に新たな堆積物がさらに積み重なることで、下層の堆積物は高圧にさらされる。これにより、堆積物は圧縮されて固まり、堆積岩になる。プレートの衝突による地殻変動が原因で、テチス海の海底堆積岩層が隆起し、ヒマラヤ山脈を形成した。エベレスト山は、このような造山運動の結果として隆起した。隆起した岩石層は、長い年月を経て風化や侵食によって再び露出した。 エベレスト層には、古生代以降の地層の時代決定や対比に有効な節足動物の三葉虫(古生代最期のペルム紀末に絶滅)や甲殻類の介形虫などの示準化石が含まれている。そのチョモランマ石灰岩から産出した海ユリCystoidea破片の断面約1mmは、約4.6億年前の古生代オルドビス紀のものであった。ヒトデやウニと同じ棘皮動物の一種であり、茎によって海底に付着して生息していた。海ユリは古生代、オルドビス紀中期とシルル紀に存在し、デボン紀に絶滅したと見られていたが、現在は水質の変化が少ない各地の深海に適応し、体長は35〜 50 cm、生きた化石として注目されている。 深海の海底に生息しているため、生体を知ることはなかなか難しいが、古代では浅瀬にも生息していた。腕を使い海中のプランクトンなどを捕らえ、餌としている。口は体の上部極にあり、肛門は体の側面に配置されている。幼体の間は自由に海を泳ぎまわることができる。成体になると海ユリは普段は岩などに固着した生活を営むが、稀に基物を離れて海中を漂う事もある。特徴は、体を包む硬い骨格に多数の細孔が存在することであった。これらはおそらく呼吸器系であり、体内に流体が出入りすることも可能にしているようだ。一部の種では、細孔は異なる領域に集まっていたが、他の種では、毛穴は体表面全体にかなり広く分布していた。 海洋植物の化石も見つかっているが、それらは主に藻類や海藻の化石であるが、古代の海洋環境を理解するための重要な手がかりとなっている。 チベット高原もヒマラヤ山脈の形成に関与している。インドプレートがユーラシアプレートと衝突し、ヒマラヤ山脈を形成すると同時に、このプレート衝突によってチベット高原も押し上げられた。この衝突により、チベット高原は世界でも最も高い高原の一つとなった。 チベット高原でも海洋生物の化石が発見されている。これは、チベット高原がかつて海の一部から形成されていることを示している。プレートテクトニクスの影響でインドプレートがユーラシアプレートに衝突し、地殻変動によって現在の高原や山脈が形成された。その結果、古代の海洋生物の化石が中央アジアの高地でも発見される。海洋無脊椎動物、例えば、アンモナイトや三葉虫や海洋植物の化石も含まれている。チベットの北部の崑崙山脈も、インド・オーストラリアプレートとユーラシアプレートの衝突によって形成された褶曲山脈であるため、複雑な地殻変動の歴史を物語る壮大な山々を形成する要因となっている。古代動物や海洋生物の化石や痕跡が発見されたという具体的な情報は未だ知られていない。
新生代古第三紀始新世の5,000万年前から新生代新第三紀中新世の1,000万年前まで、インド亜大陸の大移動とユーラシア大陸への衝突・隆起でヒマラヤ山脈が出現すると、アジアの気候は大きく変動した。ヒマラヤ山脈は、インド洋から運ばれるモンスーンの湿った空気を遮る巨大な障壁となった。このため、湿った季節風が中央アジアに到達することが困難になり、結果として、中央アジアは乾燥した気候となった。一方で、東アジアはヒマラヤ山脈の東側に位置しているため、モンスーンの湿った空気が流れ込みやすくなっていた。この湿った空気が東アジアに温暖で湿潤な気候をもたらした。ヒマラヤ山脈の存在により、流れる風が上昇し、東アジアは降雨に恵まれた。 モンスーン季節風は、温度差をエネルギー源とする。夏季には、陸地が海よりも速く温まるため空気が上昇し低気圧となり、インド洋上の海洋高気圧からアジア大陸の低気圧へと風が吹き込む。この風が大量の湿気を含んだ空気を東アジアへ運ぶ。 降雨に恵まれた東アジアで主に水稲栽培が行われている。水田環境が稲の生育に適しているため、効率的に稲を育てることができる。日本・中国・韓国など東アジアの多くの地域で主食として広く栽培されている。中国や北朝鮮などの一部地域では小麦も重要な穀物で、また中国や日本では、大豆は食用や家畜飼料として広く利用されており、醤油や味噌などの伝統的な食品の原材料として不可欠である。中国・日本・韓国ではお茶の栽培が盛んで、特に中国は世界有数の茶生産国である。 東南アジアでは多種多様な果物が広く栽培されている。ベトナムの特産果物 ドンタク (ドラゴンフルーツ) は、 鮮やかな赤色の果物で、甘酸っぱい味が特徴、ライチは甘くてジューシーな果物で、特にベトナム国内では人気、 ランブータンはライチよりも軽くすっきりとした甘みを持ち、苦味もなくとても食べやすい果物である。 タイの特産果物マンゴー は 甘くてジューシーな果物で、タイでは非常に人気がある。 ライチ - はベトナムと同様に、タイでもよく見られる。 パラミツは甘くてクリーミーな果物で、タイとインドネシアとブラジルなどでは、ご飯の代わりに蒸して食べる貴重なもの、若いときに蒸しにして食べるが、完熟したバラミツは果物として食べる。ビタミン・鉄・タンパク質などが豊富。これらの作物は地域ごとの気候や土壌条件に適したものや嗜好に合わせ、東アジアの食文化や経済に大きな影響を与えている。 ヒマラヤ山脈の存在により、風の流れが上昇し、東アジアでの降雨を助ける。 このように、地形と季節風の相互作用が、中央アジアと東南アジアの気候を決定する重要な要素となっている。ヒマラヤ山脈は巨大な「自然の壁」として、両地域の気候を分けている。 (東アジアはユーラシア大陸、アジア大陸の東部に位置する、北西からモンゴル・中国・朝鮮・台湾・日本などを含む地域。太平洋に面しており、地理的には、中国の北端、大興安嶺からインドシナ半島のベトナムのハノイを経てトンキン湾に注ぐホン川にいたるまでの地域。 フィリピンは一般的には東アジアには含まれない。地理的に、フィリピンは東南アジアに位置している。東南アジアは、インドシナ半島とマレー諸島を中心に広がる地域で、フィリピン・インドネシア・マレーシア・タイ・ベトナム・シンガポールなどの国々が含まれる。) 「中央アジア」はヒマラヤ山脈が障壁となって乾燥化が進み、モンスーン(季節風)の湿った風が流れ込んだ東アジアは温暖で湿潤な気候になった。このような環境変化により、アジアの動植物相は、大きく変化していった。隆起したヒマラヤ山脈とチベット高原が極寒の地になると、厳しい極寒の環境に適応した動物たちのみが進化していき、やがて地球規模で寒冷化が進むと、寒冷化に順応した動物たちがチベット高原から高度の低いヨーロッパやアジア各地に進出して行く。これが哺乳類の放散と進化を示す「アウト・オブ・チベット」説である。この説を生んだきっかけとなったのが大型哺乳類「チベットケサイCoelodonta antiquitatis」の化石発見であった。 コエロドンタkoʊiloʊˈdɒntəとは、「中空の歯」、その大臼歯の深い溝に由来する。ユーラシアサイの絶滅した属で、それは約370万年から14,000年前、鮮新世と更新世の時代に生きていた。最も初期の既知の種であるCoelodonta thibetanaは、鮮新世にチベットに生息し、更新世にこの属がユーラシアの他の地域に広がった。 ケブカサイは、更新世後期にユーラシア大陸北部に生息域を広げていたサイの一種で、マンモスやオオツノシカとともに氷期を代表する動物として知られている。イギリスからシベリア東部にかけてツンドラ地帯に生息したため、厚い毛皮や熱の損失を防ぐための小さな耳など、寒冷地に適応した特徴を持つ。 ケブカサイは、頭胴長約4m、体重は3〜4tに達したとされている。鼻づらには2本の角を持ち、特に前方の角は長大で、1mを超えるものもあった。 ケナガサイは更新世の巨大動物相の一員であった。それは肩から伸びる巨大なこぶを持ち、主に草原に生える草本植物を食べていた。永久凍土に保存されたミイラ化した死骸と、ケナガサイの多くの骨の残骸が発見されている。ケナガサイのイメージは、ヨーロッパやアジアの洞窟壁画の中に見られる。ケナガサイの生息域は約17,000年前にシベリアに向けて縮小し、最も新しい記録はシベリア北東部の約14,000年前のもので、「アレロッドの温暖化」が生息地を混乱させた可能性が高く、環境DNA記録が約9,800年前に種の生息範囲を拡大した可能性も指摘されている。その最も近い現生の親戚はスマトラサイDicerorhinus sumatrensisと言う。 ケブカサイは、ステップ地帯に適応していた。彼らは広大な草原における草食動物として、主に草や木の葉を食べていた。その巨体と強力な顎を持っていたため、非常に大きな量の食物を消費することができた。また、ケブカサイは群れを形成して生活していたと考えられている。これにより、捕食者から身を守ることができたとされている。彼らの化石の遺存状態から、大規模な群れが存在していた証拠が見つかっている。 「チベットケサイ」などの大型獣や、詳しい生態はほとんど知られていない世界に3,000頭ほどしかいない「チベットユキヒョウ」、原始的な大きな角を持つ「プロトオービス(原始的なヒツジ属)」などの哺乳類が、北極圏よりも先に寒冷環境となったチベット高原で寒冷気候に適応してから、氷河時代に各地に放散したとする。この説を導き出す証拠となったのが、「チベットケサイ」の全身骨格復元標本と生体復元モデルであった。 目次へ 4)大陸の集合と分裂 ■先カンブリア時代の7億~6億年前 先カンブリア紀Precambrianは、現在の顕生代のEonの前に設定された、地球の歴史の最も初期の部分である。先カンブリア紀は、この時代の岩石が最初に研究されたウェールズのラテン語名であるカンブリアにちなんで名付けられた、その顕生代の最初の期間であるカンブリア紀に先行していたため、そのように名付けられた。その先カンブリア紀は、地球の地質時代の88%を占めている。 先カンブリア紀という名前は、地質学における時代区分の一つで、カンブリア紀Cambrian以前Preの地質時代を指す。名称の由来: 「Precambrian」という言葉は、ラテン語の「pre-(前の)」と「Cambrian(カンブリア)」の組み合わせである。カンブリア紀は、19世紀にイギリスのウェールズ地方(古代のカンブリア)で発見された化石から命名された。カンブリア紀は、多くの生命が爆発的な進化した時代であり、それ以前の時代を総称して「先カンブリア紀」と呼んだ。 その先カンブリア紀は約46億年前から約5億4100万年前までの期間を指す。この期間は、地球の形成から始まり、生命の初期進化、そして最初の多細胞生物の出現までを含んでいる。 先カンブリア紀の岩石には、微生物の化石や初期の多細胞生物の化石が含まれており、地質学的に非常に重要な情報を提供してくれる。 先カンブリア紀の時代区分は、冥王代Hadean、始生代Archean、原生代Proterozoicの3つの大きな区分に分けられる。19世紀の地質学者たちは、カンブリア紀以降の時代に多くの化石が見つかることから、その時代が生命の発展の主要な時期と考えていた。そのため、化石がほとんど見つからないそれ以前の時代を「先カンブリア紀」として区別した。 このように、先カンブリア紀Precambrianは、カンブリア紀以前の地質時代を指すために名付けられ、その時代には地球の初期の形成と生命の初期進化までが含まれている。 <先カンブリア紀はさらに、冥王代(hadean)、始生代(archean)、原生代(proterozoic)の3つの大きな区分に分けられます。 歴史的背景: 19世紀の地質学者たちは、カンブリア紀以降の時代に多くの化石が見つかることから、その時代が生命の発展の主要な時期と考えていました。そのため、化石がほとんど見つからないそれ以前の時代を「先カンブリア紀」として区別しました。 このように、先カンブリア紀(Precambrian)は、カンブリア紀以前の地質時代を指すために名付けられ、その時代には地球の初期の形成と生命の初期進化が含まれています。他にも質問があれば、どうぞお知らせください! 先カンブリア紀の存在を証明できる何があるのですか 先カンブリア紀の存在を証明するためには、いくつかの重要な地質学的証拠があります。以下はそのいくつかの主要なものです: 1. 微生物の化石 先カンブリア紀の岩石には、ストロマトライト(藍藻の活動によって形成された層状構造)やその他の微生物の化石が含まれています。これらの化石は、地球上での生命の初期段階を示しています。 2. 鉱物の年代測定 放射年代測定法を用いて、先カンブリア紀の岩石や鉱物の年代を測定することができます。ウラン・鉛年代測定法やルビジウム・ストロンチウム年代測定法などの技術により、これらの岩石が何億年も前に形成されたことが確認されています。 3. 地球の初期大気と海洋の証拠 先カンブリア紀の間に形成された地質層には、初期の大気と海洋の化学的証拠が含まれています。特に酸化鉄鉱床(Banded Iron Formations, BIFs)は、地球の酸素濃度が増加したことを示す重要な証拠です。 4. 古い大陸地殻 先カンブリア紀には、現在の大陸地殻の一部が形成されました。この時代の岩石は、現在の大陸の基盤をなす重要な部分を構成しています。特に、グリーンストーンベルトや片麻岩地帯などは、この時代の地殻活動を示しています。 5. スーパーコンチネントの形成 先カンブリア紀の後期には、ロディニアというスーパーコンチネントが形成されました。このスーパーコンチネントの存在とその分裂は、プレートテクトニクスの初期の活動を示しています。 これらの証拠により、先カンブリア紀の存在とその重要性が確立されています。もっと詳しく知りたい点があれば、お知らせください!br>19世紀の地質学者たちは、カンブリア紀以降の時代に多くの化石が見つかることから、その時代が生命の発展の主要な時期と考えていた。そのため、化石がほとんど見つからないそれ以前の時代を「先カンブリア紀」として区別した。しかし、先カンブリア紀Precambrianは、カンブリア紀以前の地質時代を指すために名付けられるしては、このの時代には地球の初期の形成と生命の初期進化が含まれている。 現代となれば、先カンブリア紀の存在を証明するためには、いくつかの重要な地質学的証拠が発見されている。先カンブリア紀の岩石には、ストロマトライト(藍藻の活動によって形成された層状構造)やその他の微生物の化石が含まれている。これらの化石は、地球上での生命の初期段階を示している。 放射年代測定法を用いて、先カンブリア紀の岩石や鉱物の年代を測定することができる。ウラン・鉛年代測定法やルビジウム・ストロンチウム年代測定法などの技術により、これらの岩石が何億年も前に形成されたことが確認される。先カンブリア紀の間に形成された地質層には、初期の大気と海洋の化学的証拠が含まれている。特に酸化鉄鉱床は、地球の酸素濃度が増加したことを示す重要な証拠となる。 古い大陸地殻 先カンブリア紀には、現在の大陸地殻の一部が形成された。この時代の岩石は、現在の大陸の基盤をなす重要な部分を構成している。特に、グリーンストーンベルトや片麻岩地帯などは、この時代の地殻活動を示している。先カンブリア紀の後期には、ロディニアというスーパーコンチネントが形成されました。このスーパーコンチネントの存在とその分裂は、プレートテクトニクスの初期の活動を示している。 これらの証拠により、先カンブリア紀の存在とその重要性が確立されている。 大陸移動の歴史は、大陸の集合と分裂の繰り返しであった。 6億年前、ゴンドワナ超大陸が南半球から赤道にかけて分布していた。ゴンドワナ超大陸の真ん中に太平洋スーパープルームPacific Superplumeが上昇してきたことによって、ゴンドワナ超大陸は分裂を始めた。 太平洋スーパープルームは、地球のマントルの中で非常に高温で密度の低い物質が上昇している現象と言う。ここでの「プルームplume」は、地球科学における専門用語で、「柱状の上昇流」を意味する。具体的には、地球のマントル内で高温で密度の低い物質が上昇していく現象を指す。この上昇流が地表に向かって動くことで、地殻活動や火山活動に影響を与えることがある。 太平洋スーパープルームは特に巨大で、太平洋の下に位置していた。このようなプルームは、地球の内部での熱と物質の循環に関わり、プレートテクトニクスや地球の進化に重要な役割を果たし、地球の内部構造に大きな影響を与えるとされている。この現象は、地震波の速度や振動の伝わり方に、異常を示すことで発見された。 このプルームは、地球の内部での物質の循環やプレートの動きに関連しており、地質学的な研究において非常に重要なテーマとなっている。 ■2億年前 ゴンドワナ超大陸が分裂した後、大陸がふたたび集合してパンゲア超大陸が生まれた。 アフリカと南アメリカ大陸の間、ヨーロッパと北アメリカ大陸の間、今の大西洋にそって、大西洋スーパープルームが上昇してきた。そしてふたたびパンゲア超大陸が分裂を始めた。 8,300万年前以降もパンゲア超大陸は分裂をつづけ、太平洋と大西洋のスーパープルームが断続的に活動した時期であった。このスーパープルームの活動で、海洋底に火山活動によるいくつもの巨大な火山の台地である海台ができあがった。 ここでの「プルームplume」は「柱状の上昇流」を意味する。具体的には、地球のマントル内で高温で密度の低い物質が上昇していく現象を指す。地球のマントル内で形成される柱状の上昇流plumeは、高温によって発生する。高温の物質は膨張し、その結果として密度が低くなり、この低密度の物質は周囲の冷たい、より密度の高い物質に対して浮力を持つため、上昇する。これが地球内部での熱の循環に重要な役割を果たしており、地表の地質活動にも影響を与えている。この上昇流が地表に向かって動くことで、地殻活動や火山活動のエネルギー源となる。特に太平洋スーパープルームは巨大であり、太平洋の下に位置している。このようなプルームは、地球の内部での熱と物質の循環に関わり、プレートテクトニクスや地球の進化に重要な役割を果たして来た。 現在では、大陸が広大に分裂してしまった時期であれば、太平洋スーパープルームの活動はしだいに衰えて来た。 現代から2億5,000万年後は、大西洋のスーパープルームの活動はつづくが、太平洋の方はとじられていく。 そして、太平洋は.狭まりインド洋が広がる、2億5,000万年後にはべつの超大陸ができると推測されている。 「スーパープルーム」は、西太平洋に分布する多数の海山が、大規模なプルームの上昇活動を起すことである。すなわち、深部マントルから上昇したスーパープルーム が、上部マントルで多数のプルーム群に枝分かれし、海洋底に多くの海山群を生み出す。 中生代最後の時代である地質時代の白亜紀Cretaceous period(約1億4,500万年前〜6,600万年前)には、大気中の二酸化炭素濃度も高まって気候が温暖化し極地の氷が融けた。しかも海洋底拡大が速まり火山活動が活発になる。これらもスーパープルームが原因だとされた。マントルにおける大規模なプルーム発生は、地球内部の変動だけでなく、気候や地球表層環境にも大きな影響を与えている。 こうしたプルーム性の大規模上昇流は、現在の地球でも発生しているかもしれない。こうした視点で、マントル・トモグラフィーのイメージを詳しく調べると、太平洋中央部やアフリカ大陸の下に、直径数千kmもの大規模な上昇流があり、それらはスーパープルームの可能性が高い。 プルーム活動によって引き起こされる地球変動は、「プルーム・テクトニクス」 と呼ばれ、プレート・テクトニクスに継ぐ新しい地球変動原理として注目されている。 (白亜紀は比較的温暖な気候で、その結果、海面が高く、浅い内海が数多く生まれた。これらの海には、今では絶滅した海生爬虫類、アンモナイトやルーディストなどが生息していた。恐竜は陸上で引き続き支配的であった。 寒冷な前半には短い氷河期の証拠がいくつか見られるが、世界の大部分は氷が融け、森林は極地まで広がっていた。 白亜紀初期には、花や果実を結ぶ顕花植物が出現し、急速に多様化し始め、白亜紀の終わりまでには、地球全体で支配的な植物群になった。これは、以前に広まっていた裸子植物のいくつかのグループの衰退と絶滅と一致する。) 目次へ 先カンブリア紀はさらに、冥王代(hadean)、始生代(archean)、原生代(proterozoic)の3つの大きな区分に分けられます。> |
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■2億5,000万年後の大陸の分布 太平洋の将来の有り様については、プレートテクトニクスが重要な役割を果たすと見られている。太平洋プレートは、北米プレート・フィリピン海プレート・ミクロネシアプレート・トンガプレート(小さな南西太平洋の構造プレート)・ニュージーランドプレートなどと接している。これらのプレートの動きにより、太平洋の地形は長期的に変化していく。例えば、太平洋プレートは北米プレートとの境界で沈み込み帯を形成しており、これにより富士山・浅間山・御岳山・三宅島などの火山活動や、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震およびこれに伴う福島第一原子力発電所事故地震などが発生している。将来的には、太平洋プレートがさらに沈み込むことで、火山活動や地震の頻度や規模が変わる可能性が高い。 太平洋プレートが北米プレートの下に沈み込み、沈み込んだ太平洋プレートは高温高圧にさらされることで部分的に融解する。この融けた物質が「マグマ」となり、上方に移動する。マグマは周囲の岩石よりも、高熱で軽いため、上昇し始める。この過程でマグマ溜りが形成さる。このマグマが地表付近まで上昇すると、噴火を引き起こす。御嶽山もこのようにして形成され、定期的に噴火を起こす。近年では、2014年に大規模な噴火があり、登山者に多大な影響を与えた。このような火山活動は、プレートの動きと地質的なプロセスが密接に関連している。 ハワイ諸島はプレートの沈み込み帯のホットスポットではなく、プレートの境界から遠く離れた太平洋プレートの中央部に位置するホットスポットで、太平洋プレートの下に存在する上昇する「柱状の上昇流mantle plume」によって形成されている。ホットスポットでは、地球の深部から上昇するマントルプルームが、太平洋プレートを貫通して地表に達し、火山活動を引き起こす。ハワイの火山、例えば頻繁に溶岩を流出するキラウエア火山やハワイ島の中央に聳えるマウナ・ロア火山は、このホットスポットの影響を受けて形成された。これらの火山は非常に活発で、特にキラウエア火山は世界で最も活発な火山の一つである。また、太平洋プレートは、北西方向に移動するため、このハワイ諸島のホットスポット現象は、プレートの動きとは独立して起こるため、プレートの境界で見られるような沈み込み帯とは異なり、そのホットスポットの位置はほぼ固定されているため、プレートがその上を移動することによって新しい火山が次々と形成される。古い火山は次第にエネルギーを失い活動を停止する。 中央インド洋海嶺Central Indian Ridgeは、インド洋中央部を南北に貫く海嶺で、インド洋中央海嶺とも表記する。中央インド洋海嶺は、南半球のインド洋に位置している。具体的には、南極大陸とマダガスカル、そしてアフリカ大陸のソマリア間に広がっている。現段階では、海嶺はゆっくりと拡大している。この海嶺は、地球のプレートが分裂して新しい海底が形成される場所であり、火山活動や地震が頻発する地域となる。このインド洋が拡大する理由は、プレートテクトニクスによるものである。インド洋の中央には、中央インド洋海嶺と呼ばれる場所があり、ここで新しい海洋地殻が生成されている。このプロセスは、地球のマントルから上昇してきたマグマが地表に達し、冷えて固まることで新しい地殻を形成している。これにより、海洋底が徐々に拡大する。 インド洋のプレートには、アフリカプレート、インド・オーストラリアプレート、南極プレートなどが含まれている。これらのプレートは、中央海嶺で生成された新しい地殻により押し広げられ、互いに遠ざかるように移動している。この拡大運動は、大西洋の拡大と同様に、インド洋の面積を広げる役割を果たしている。プレートテクトニクスは地球の表面を動かす大きな力であり、これにより大陸や海洋の配置を千年を遥かに超えて変化させる。それでも、太平洋のように多くの沈み込み帯が存在するわけではないため、インド洋は比較的安定して拡大している。またインド洋にも一部の沈み込み帯が存在するが、太平洋ほどの影響力はない。 太平洋が沈み込み帯によって完全に消滅するには、非常に長い地質学的時間がかかるが、現在のプレート運動のパターンでは、太平洋は徐々に縮小している。この縮小は、太平洋プレートが周辺のプレートの下に沈み込むことで生じる。一方、大西洋は逆に拡大している。これは、大西洋中央海嶺Mid‐Atlantic Ridgeで新しい海洋地殻が生成され、東西に拡大することで起こる。この現象は、プレートテクトニクスの一環として、地球の表面が常に変動していることを示す。具体的には、太平洋が縮小する一方で、大西洋が広がるという動きが続いており、これは地球内部ダイナミクスとプレート運動が相互に影響しあう結果である。 太平洋が狭まっている理由は、主にプレートテクトニクスに関連している。地球の表面は複数のプレート(大陸板や海洋板)に分かれており、これらのプレートはマントルの流動によって動いている。太平洋の周辺には、これらのプレートが互いに押し合い、沈み込む場所がある。例えば、日本列島の東側では、太平洋プレートがフィリピン海プレートの下に沈み込んでいる。これにより、太平洋の面積は徐々に縮小している。収束境界とは、プレートが互いに接近し、衝突する境界を言う。太平洋の収束境界は、太平洋プレートと他のプレートが衝突し、一方がもう一方の下に沈み込む場所である。このメカニズムは、プレートテクトニクスの一部であり、地球の地殻が動くことによって引き起こされる。収束境界では、沈み込むプレートがマントルに沈み込むことで、地震や火山活動が誘発する。これにより、地殻変動が活発になり、山脈の形成や海溝を深める。プレートの移動速度や方向は、数百万年にわたって変化するが、現在のプレート運動のパターンが太平洋の縮小に寄与している。こうした現象は地球のダイナミックな進化の一部であり、地質学的な時間尺度で見た場合、非常にゆっくりと進行している。 太平洋にはいくつかの沈み込み帯がある。北アメリカプレートの沈み込み帯:は、アラスカからカリフォルニアにかけての地域で、北米プレートが太平洋プレートの下に沈み込んでいる。日本の南東に位置する日本海溝は、フィリピン海プレートが北西太平洋プレートの下に沈み込んでいる。 ニュージーランド北島の東方沖では太平洋プレートが東から沈み込んでいるニュージーランド沈み込み帯は、このプレートの沈み込みによって、海域では様々なタイプの地震が発生し、陸域では火山地帯が形成されている。 トンガマグマチャンバーTonga Magma Chamberは、太平洋のトンガ海溝付近の地下深くに存在する巨大なマグマの溜まり場である。このチャンバーは、沈み込んだプレートが地球内部の高温と圧力によって溶融し、マグマが生成される場所で、トンガ海溝の地下深くに存在し、太平洋プレートの沈み込み帯に関連している。太平洋プレートがトンガ海溝で沈み込み、その地殻が地下深くでマントルに加熱され、圧縮によりマグマが生成された。このマグマが地表へ上昇することで、トンガ諸島周辺で火山活動が活発化している。噴火によって新たな地形が形成されることもある。この巨大なマグマの溜まり場は、トンガ地域の地殻変動や火山活動の重要な要因であり、上昇したマグマが地表近くで噴火し、新たな地形を形成する。地震や噴火の際には科学者たちが注目する対象となっている。 目次へ |
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